切絵作家の美意識

切り絵作家の活動、美意識等を書いていきます。

コロナ禍で国内外での展覧会に踏み出す時の考え方

Made in Japan in Monaco、Manicolleのこと。

 

コロナの影響が多くのイベントにも左右してくる中で、年内、年明けあたりの予定については色々と悩むところですが、年内の国内外での展示会出展が決まりました。

 

実は、この決定をした前後に、来年1月に検討中のパリでのMaison & Objetが今年9月に開催する展覧会が、コロナの影響を鑑みて中止の方針となっており、今、このタイミングでの出展は色々と思うところがあるのですが、今回は、動かないでいることのリスクと、動く事によるリスクとでは、後者をとることに。

 

まだ国内外での出展経験が少なくこれからという方や、この時期ゆえに一歩を踏み出しづらい方も多くいらっしゃる中で、一つの考え方としてご参考いただきつつ、国内外の2つの産業展についてをお話ししたいと思います。

 

まず、どんな展示会に出展するかについて。

 

 

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made in japan in monaco

 

MADE IN JAPAN IN MONACO  9月11日〜9月13日 <国外>

・場所:  グリマルディフォーラム ( 10 Avenue Princesse Grace 98000 MONACO )

・出展数(予定):   40社(企業・自治体様) 食品・雑貨と日本国内インバウンド観光
・来場想定数:3日間 約5,000人

・主催: モナコエム

・出展料:1700€(早期割1450€、一般申込書締切7/15、早期締切6/15。一般締切はまだ間に合いますので、今から検討される方は是非。)

 

 

メイド・イン・ジャパン・イン・モナコは、

モナコで初めて開催される、”日本商品に特化した”展示・販売イベントです。

日本の貴重な食材をはじめとする「食」、伝統と技術、センスが光る雑貨、

インバウンド観光に関するコンテンツを集め、モナコの国際会議場、

グリマルディフォーラムにて、メイド・イン・ジャパンをアピールするイベントです

<モナコエムニュースレターより引用>

 

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 こちらは、モナコでのイベントになるのですが、このコロナ禍にあって第一回目ということで、まだイベントの過去のデータ等もないのですが、担当のかたとやりとりをさせていただく中で、モナコでの展覧会に可能性を感じました。

 

コロナ感染者数はモナコでは、これまでに99人、死者4名と、最初これを見たときは一瞬「おお!少ない!」と思ったのですが、モナコの国は世界で2番目に小さい国。(1番はやっぱりバチカン。)およそ2.02キロ平方メートルで、サイズとしてはディスニーリゾートとほぼ同じ、という小さな国での99人は結構おおごと(^^;)

 

それでも出展をしようと思ったのは、去年、今年とパリでの出展を経て、来年もパリを検討している中で、パリ以外も経験したい、という点や、モナコの地域は、質の高いものを求める方が多く、「日本の商品に特化したイベント」ということで、日本の伝統的技術や素材を用いた私の作るものがどのような反応を得られるかというのを間近でみたい、という想いからです。

 

もちろんリゾート地として有名なモナコに一度は行ってみたい!という気持ちも大きいです(笑

 

実は今回のイベントでは、お任せプランという、現地スタッフさんに依頼をすると、リモートで全てサポートしてくださる、というサービスがありました。

 

例えば会期中モナコの会場と、東京のアトリエでzoom等で繋がって、現地で興味を持ってくださった方がいたときに、現地スタッフさんにご協力いただきながら、アトリエから接客・商談をする、ということも可能になるので、お任せプランを検討してみました。

 

ただ、それだと結局中途半端になってしまいますし、何より、行ったことのないモナコでの雰囲気を感じながら、現地ではどんなことが求められているのか、というのを肌で感じて、一つ一つ学びながら商談をしていく、ということはできません。

 

そうした学びが半減するリスクと、コロナの影響により人が少なかったり、国内にいても結局は同じ感染リスクとなるため、前者のリスクの方がはるかに大きい。色々と考えた上、出展を決めて、自分も行くことにしました。

 

また、第二波がどれほどの規模になりそうか、というのもネックです。

 

多くの企業が、「第二波はくる」と予想をしていて、それが、8月ころ、という意見もあれば、10月、という考えもあります。Maison & Objetがイベントを中止するようなタイミング(中止の場合、多くのイベントでは出展料は返金されます)での出展は、ある意味賭けのような気もします。

 

ただ、Maisonのように規模も影響力も大きいイベントとしては、中止せざるを得ない事情があるのかもしれませんが、それでも、中〜小規模のイベントは、その決断を最後の最後に置いて、2020年前半を潰してしまった個人〜中小企業のため、業界のために、国内外で、イベント等を中止しない、と判断するところも多くあります。

 

感染事例に関する専門知識はないですが、各企業が中止しない方針を立てている背景にあるいろいろな意味を考えて、私としても、去年〜今年〜来年にかけては、海外活動のための経験と土台を作っていきたい、と、一昨年から考えていたので、今回思い切った、というのが、海外での展示に向けての考えです。

 

 

次に、国内manicolle展示について。

 

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manicolle tokyo

 

 
場所:東京ビッグサイト 東ホール
 
日時:2020.10.7(wed) - 10.9(fri)、10:00 - 18:00 Last Day - 17:00
ジャンル:Men's & Lady's ファッション
出展社数: およそ100 ブランド
来場者数:およそ20万人
 
合同展示会 manicolle tokyo(マニコレトウキョウ)は、若手やNEWブランド、新進気鋭のブランドなどファッションを中心に、ジャンルを問わず集めた合同展示会です。アパレル、ファッション、アクセサリー、ジュエリー、カバン、バッグ、靴、帽子、雑貨、インテリアなど、幅広いのジャンルのブランドが集り、多種多様のブランドとバイヤーが出会う事ができる展示会です。(中略)

日本最大のトレードショウ GIFT SHOWの中で、合同展示会 manicolle tokyoは開催されます。

GIFT SHOWは、日本最大規模で開催される展示会です。マニコレの会場は、東京ビッグサイト 西展示棟アトリウム 1F。GIFT SHOWに出展する企業は、全体で約3500社です。アパレルファッション、アクセサリー、インテリア、雑貨、アート、ステーショナリー、小売店向け販売支援、ギフトアイテムなどなど、多くのジャンルの出展、またはエリアがあります。これだけ多くの物がそろう展示会は、日本ではGIFT SHOWだけです。それを目的としたバイヤーが、日本全国、海外からと約20万人の来場があります。
 
マニコレは、その中でもクオリティーの高いファッションに関連するブランド、約80社ちかく集めた合同展示会になります。
 
<合同展示会 manicolle tokyoウェブサイトより引用>
 
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こちらが、国内での出展を決めたmanicolle tokyoの概要です。
 
なぜ、manicolle tokyoに決めたかというと、manicolle自体はファッションを中心とした展開となるのですが、manicolleが出展されるGIFT SHOWは多くのジャンルをモーラしています。
 
ファッションに限らないという点もあって、GIFT SHOWに出展を検討していた時もあったのですが、1ブースを設けるのに最低でも50万円〜となり、ここにさらにテーブルや椅子、照明等の什器レンタル代がかかるとなると、ある程度のブランド力と規模が必要。
 
一方、manicolleはそのGIFT SHOWの中で展示場が設けられるのですが、出展料はGIFT SHOW出展料のおよそ3分の1と、(興味のある方は、問い合わせてみてくださいねフリーランスにとっても良心的な価格で、クウォリティを重視してある程度厳選されていることもあることや、去年2回出展させていただいた渋谷ヒカリエホールでのファッション系産業展 PLUGIN とも違った雰囲気を見ることができる点もあったので、迷わず出展を決めました。
 
 
ここまで来て、「なぜ、切り絵作家がファッション系の産業展に出展?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 

こうした産業展に出展される方では、芸術方面のかたは少ないかもしれませんが、ファッションとアートはとても身近なもの。特にこれからは、より独創的なものや、世界観や、ブランドストーリーそのものが重視されていくとなると、今、アート系で展開をされている方にとっても、関連してくる点もあるかもしれない、と思い、すでにファッション業界や小売等で展開をされていて、コロナ禍の中での今年〜来年の一歩を考えあぐねている方にとっては、その一歩を進める何かにならないかな?と思い、今回のお話をまとめてみました。
 
長年、切り絵では、額装作品をギャラリーで展示したり、商品の切り絵デザインを手掛けたりと、(BOSCARRY saKASA他)作品としてのクリエイティブを手掛けてきているのですが、5年前に紙でできたジュエリー、KIRIEBIJOU を手掛けるようになってから、紙が持つ可能性を、より身近なものでも形にしたいと思ったこと、ジュエリーという小さな形の中に、伝統技術や素材等を使い、より大きな形にしていけることの楽しさに気がついたことから始まり、やるならちゃんとやりたいとも思うようになって、こうした産業展も、出展の視野に入れるようになったことからですが、もちろん、作品作りも継続しています。
 
あくまで、日頃の世界観がジュエリーに生きている、という形になりますので、最近は、作品とジュエリーパーツとがリンクしているような作品を作ることが増えているのですが、それはまた、別の機会に記事にできればと思います。