切絵作家の美意識

切り絵作家の活動、美意識等を書いていきます。

Mrs of the year 2022年千葉大会ファイナリスト決定!

先日、日本大会を経て世界大会のショーに出場されている方のご縁で、自分も同じ大会の地方大会から参加することに。1次審査、2次審査を経て、Mrs of Year 2022年 千葉大会ファイナリストとして、6月1日に東京ディズニーシーミラコスタにて開催されるショーへの出演が決定いたしました。

 

ショーの根底にあるテーマは、エイジレスに挑戦しつづけるカッコいい女性、ということで、大会を通して伝えられること、伝えられたらと思うことは、自分らしさを保ち続けることで、人生のあらゆる出来事が、楽しいことも、辛いことさえも、いつかかならずその人自身の輝きへと昇華されていく、ということ。

 

ショーの中で30秒スピーチの時間があります。そこでは、女性として感じる日常のことや、大会を通して伝えられることを凝縮しました。そして、30秒では伝え切れないようなことを、こちらのブログで綴っていきたいと思います。

 

 

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大会のパンフレット用写真撮影の様子。

この日に、ヒールでのウォーキングレッスンや、コンテスト用メイクのレクチャー等も行われました。

 

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ファイナリスト決定が決まってから毎日行っていることは、腹筋、背筋、スクワット等の筋トレと、ストレッチやヨガ等の体の解放のセットを20〜30分ほど。ちょっと少ないですが、毎日続けるということが大事なので、無理のない範囲内でスタートをしています。

 

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コンテストメイクははじめてですが、当日ステージ上ということや、照明が沢山あてられることもあって、かなり濃いメイクでやっと普通にみえるくらいだそうです。日頃慣れていないことが多いので、1ヶ月頑張りたいと思います。

 

ショーではデビ夫人や、ディズニーキャラクター達も登場するそうで、華やかなイベントになりそうです!

 

こちらのブログでは、日々の事を書き綴ります。

https://note.com/kirierium

の方で切り絵アート、KIRIEBIJOU等のブランドのことについてをまとめていますので、そちらもよろしくお願いいたします。

ジュエリーをアートする

KIRIEBIJOUのジュエリーに使われている金箔は、ほぼ全てがK24で、純金の輝きでありながら、とても軽いのが特徴です。

K24ジュエリーは、貴金属としては柔らかすぎで滅多になくて、稀に日本であったとしても、なぜかそのままだと派手すぎるから、という理由で、色を少し変えてしまうことが多いそうなのです。

でも、本来純金の輝きは、柔らかみがあってとても暖かく、特に箔のくしゅくしゅ感が加わると、アンティーク風になり、とても落ち着いた品のある輝きを放ちます。

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左は、クレオパトラに着けてもらえたらなーと考えながら作りました。右下は、木がモチーフで、結構人気。一点ものが多く、一つ一つがアートになっているので、ジュエリーという、とても身近なところに、ささやかなアートを感じていただくことが出来ます。


「アーティストにとって、ジュエリーはビジョンを広げるためのもう一つの方法」

ミラノでジュエリー制作会社を経営する、ジャンカルロ・モンテベッロの言葉です。パリのアートコレクター、ディアーヌ・ヴェネは、芸術家が作ったジュエリーしか身につけないのだそうです。ジャンカルロ・モンテベッロは、そんな彼女が認める人物。

その言葉に、はっとしました。

ここ数年、百貨店でのジュエリー展開をしているのですが、私は、そこにあまり自分の我を出しすぎてはならない、と、商品としてのジュエリーを手にする人にとって、製作者の世界観が介入しすぎないように気を付けていました。

でも、箔や漆等を扱うようになってから、それは違う、と思うようになり、コロナ禍での自粛期間中久々に作品創作に没頭することで、やっぱり、世界観あってのジュエリーなんだ、伝統を織り交ぜつつ、その全部をひっくるめて芸術であり、豊かかなライフスタイルに通じていくんだ、ということを、もっと伝えたい!と思うようになりました。

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ジュエリーをあれこれ素材を吟味しながら、純金の本物の輝きに触れていくうちに、いろいろなことに気づかされました。商品をアートするか、デザインするか、結構大きな違いです。アーティストやデザイナー等のクリエイターにとっても、永遠の課題のようにも思えます。

自粛期間でポッカリと時間が空いて、思いがけず創作にかける時間ができたことで、つい忘れてしまいがちな原点を、思い出した時のお話しです。

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まるで絵画を見るように、ジュエリーを覗き込むディスプレイ。2020年大宮高島屋1階にて。

minneのアワードに受賞したことがきっかけで始まったジュエリーへの取り組み

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ジュエリーのブランドに取り組むことになるとは、6年前までは想像もしていませんでした。ファッションやトレンドにも疎く、自分の世界を突き詰めて成り立つデザインや作品にばかり取り組んでいたのですが、ふと手元にある切り絵をアクセサリーにしてみたら、とても素敵なのではないかと思ったのがきっかけ。そして、その後minneの「クリスタルデコレーション大賞」というアワードに部門受賞したことが、アクセサリー・ジュエリーへの本格的な取り組みを後押ししました。

「クリスタルデコレーション大賞」は、ハンドメイドサイト「minne」と、ヒューマンアカデミー株式会社が共同で主催していたアワードで、スワロフスキーを用いで、独自の創作を発表するというものでした。

コンセプトは、

“本物のデコレーション文化を日本に、そして世界へ”

テーマは、

「愛しい誰かのためのクリスタルデコレーション」

そういった趣旨のもとであれば題材はなんでもよく、とてもキラキラとした創作で胸躍る取り組みでした。私は太陽の作品いっぱいに、太陽の輝きをイメージしてすスワロフスキーを散りばめました。切り絵にスワロをデコレーションする、という発想が今までになく独創的、ということで、クリスタルデコラティブアーティストアンバサダーの宮崎美樹さん、星野佳世子さんと、SWEETA編集長・仁尾佐依子さんによる厳正なる審査を経て、最優秀賞/部門賞が決定されました。決め手は、ベースになっている切り絵の繊細さと作品としての完成度、アイディアとセンスが高く評価された、ということでした。

賞をいただき、その特典として、minne LAB 世田谷(東京都世田谷区にある「IID 世田谷ものづくり学校」の施設内にあるminneのギャラリー)での受賞作品の展示のほか、「Crystal Beads Jewelry 」の2級・1級の講座を受けさせていただくことに。

ちなみにこのコンテストで最優秀賞を受賞されていたのは、Decorumさんの「カラー気球モービル」。手作りの気球いっぱいにスワロフスキーがデコレーションされていて、とても綺麗でした!何より、気球というのが夢があって素敵なチーフでした。

私が部門賞を頂いた作品は、月と太陽のこちらの太陽。

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小学校から同級生で幼なじみ・ピアニストの瓜生恭子さんによるmodelのパワーで、作品がいっそう耀きを放ちました。切絵で作られた太陽の胸当てにスワロフスキーをふんだんにデコレーションし、太陽の輝きを表現しています。

これは、CDアルバム、「月と太陽」のウィジュアルデザインアクセサリーとして制作致したもので、美しく光り輝く太陽の女神をイメージしています。

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胸当てとして制作しているものの、さすがに日常的に胸当てとして使用するのは困難なため、インテリア/美術鑑賞用作品として販売いたしました。

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私は正直、こちらの商品が賞を頂くと思っていませんでした。応募の動機は、CDのビジュアルづくりの時期とこのコンテストの募集時期とが重なって、丁度、手元にスワロで切り絵をデコレーションした作品があったから。たまたまでした。他の応募作品はどれもこれもキラキラと女子力の高そうなものばかりで、ちょっとかなわないなあと思っていたのですが、忘れた頃に、「おめでとうございます、あなたの作品が受賞致しました!」の連絡が。

実物を額に入れて郵送しなければならなかったのですが、なかなか良い額が見つからず、手頃なサイズの額の縁に更にスワロフスキーデコレーションをして、太陽の作品を額装しました。そしてそれが、しばらくの間、世田谷ものづくり学校の一角にある、minneのアトリエにて展示されていました。こんなごつい作品が賞を頂けてとても嬉しかったです。

コンテストのテーマである「愛しい誰かのための~」という点に関しては、あとからそのテーマについて知ったくらいで、とにかくひたすら切り絵にスワロをデコした、という点では、あまり誰も取り組んでいないような事をしたかなあと思います。

誰かの為の~という点で素敵だった作品は、banari-iovさんの、子供の成長の証を大事に保管するための「ニコニコキッズの乳歯ケース」でした。乳歯ケースにデコレーション・・・というのもかなり独創的で、とにかく、SWAROVSKIを何にデコレーションをするか?」というのがどの作品においてもかなり重要なポイントだったようです。

私は、それまで「デコラティブアーティスト」という分野がある事すら知らなくて、これをきっかけにその世界を少し垣間みる事になりました。スワロデコとか、アクセサリー制作とか、そのようなキラキラした分野には縁遠いと思っていましたが、受賞特典で受けることになった Crystal Beads Jewelry の講座では、教材として扱っているパーツがスワロフスキーエレンツだったり、輸入チェコビーズだったりと質も良く、それをきっかけに色々なパーツ屋さんに足を運ぶようになりました。(近々、魅力あふれるパーツ屋さんのお話にも触れたいと思います。)

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月と太陽CDジャケット完成版、現在のKIRIEBIJOUの原型となる
カジュアルな切り絵アクセサリーを身につけています。

今までアクセサリーを身につけることすら興味のなかった私が、今では、どんなデザインにしたら、アクティブでバイタリティ溢れる女性に喜ばれるオシャレなものにできるのかをいつも考えていて、人生って本当にわからないものだなあと思います。これからも、身につけていて負担がなくキラキラとした輝きを楽しむことができるジェリーをたくさん作っていきたいと思います☺️

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華の都パリでのちょっとした不便

パリの街並みはとても美しくて、多くの人たちが憧れてこの街を訪れます。一方、「パリ症候群」という言葉があるくらい、憧れて長期滞在を計画して来たはいいけれど、美しさを優先するがゆえの不便さに耐えられずに、鬱になったり、自律神経失調になったりと、裏側では、苦労をする人も。

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私が初めてパリで宿泊したホテルは、外観はとても素敵な古いアンティークな建物で、アメリが見つけた手紙が出てきそうな雰囲気のところでした。

チェックインをすませて、4階建の2階に向かおうと、エレベータに乗った時点で、「・・??」となった。エレベーターは、1.5人乗りくらいのサイズで、1人乗ればぎゅうぎゅうで、おおきめのスーツケースは入るか入らないかくらい。

私のスーツケースは入らなかったので、担いで登りました。まずここでカルチャーショック。パリでは、建物の構造に合わせて無理やりエレベーターをねじ込むので、螺旋階段の間とか、ちょっと変なところにあったりします。なので、新しいビル以外の建物で、あんまり普通のエレベーターをみたことがない。大体、1人乗り〜大きくて3人乗りくらい。笑うしかないくらいの面白いエレベーターがそこかしこにいっぱい。

部屋に入ると、トイレとドアとの位置がちょっとおかしかったり、ドアが若干曲がっていて開け閉めしづらかったり。この時点でまあまあ不便さを感じました。

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街に出ると、移動時、地下鉄では階段ばかりでなかなかエスカレーターやエレベーターがありません。全然バリアフリーではなくて、おじいちゃんおばあちゃんはどうやって生きて行けるのか・・・と思っていたら、パリの街ではバスがとても充実していて、あまり心配はなさそう。とはいっても、ベビーカー担ぐお母さんとかは、やっぱり大変そうです。

地下鉄では、やっとエスカレーターを見つけたかと思ったら壊れていたり、3つあるうちの自動ドアが2つ壊れていたりと、公共のものが壊れていても、誰もあんまりなおす気がなさそう。これっって、街の美しさを優先するために犠牲になっている便利さとちょっと別物だよね😅と思うような時もしばしば😅😅

私は、このあたりの不便さは、もともとの実家がかなりアンティークだったため慣れていて気にならなかったのですが、一番神経を使ったのは、スリやひったくりにあわないようにすること。常に気を遣っていました。

予備知識をもちつつ、パスポートやお財布等は、上着の下ではなく、更に洋服の下に首からぶらさげて持ち歩くように。スマホは電車の中、とくに電車入口付近では使わないように。等々、色々と気を遣って過ごしていたのですが、それでも、ポルト・ド・ヴェルサイユでのwho's nextの展覧会の帰りで疲れていた時に、地下鉄でちょっとうとうとしていたら、治安が悪いからあまり近づかないように、と言われていた北のほうまで来てしまった時の事。

「ああまずい、戻らなきゃ」と思って降りたホームは寂しくて、ちょっと酔っ払ってる風のお兄さんがいたりと、なかなかドキドキでした。

反対の電車に乗り込むと、女性と黒人さんが一人づつ。うとうとしないようにと思っていても、初めての土地での展覧会中日はとても疲れがたまっていて、またウトウト。ハッと気がつくと、ものすごい力で引っ張られていて、咄嗟に引っ張り返してわあわあ大声を出しました。見ると私のポーチを黒人さんがぐいぐい引っ張っていて、ああ、私、もう予定している日に帰国できないかも、と頭をよぎり、ついでに、バスや電車で切符をなくしたりすると、たとえそれがスリやひったくりにやられたとしても、35ユーロ(だいたい4500円)の罰金があることを思い出して、お財布もパスポートもなかったらどうやって支払うんだろう、と、踏んだり蹴ったりな1時間後の自分を想像しました。

とにかくわあわあ叫んで、ものすごい力で引っ張られるのを引っ張り返して、とやっていたら、次の駅でそそくさと出て行った黒人さん。遠くに座っていた女性が、あなた大丈夫?と声をかけてくれている風でしたが、胸がドキドキしてそれどころではありませんでした。

ポーチをよく見ると、なんと、紐の部分が焼き切れていた😰。その時の私は疲れていて、いつも洋服の下に入れているポーチを、上着の下にしていたみたいで、紐の部分まで見えていたのでした。でもそれを焼き切られるなんて流石に想像していませんでした。気がつかないくらい私が深く眠ってしまったのか、黒人さんの腕が良すぎたのかどちらかわかりませんが、あとで、パリ在住の友人にその話をすると、「無事でよかった!車両のなかだったからよかったね。もしこれが寂しいホームとかなら、まずは殴って気絶させてそれからとられてしまうから、上着の下にいれていようが関係ないのよ」と・・・。

気絶させられるくらい殴られた事ないので背筋が凍る思いでした。あの寂しいホームで遭遇しなくて本当によかった!

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黒人さんの場合、単独犯で力技でしたが、一方、ヒッピー系のスリの集団があるということも聞いていたので、それも気をつけました。彼らはチームプレイなので、子供が話しかけてきて、気を逸らされているうちに反対がわのカップルが巧妙にスリをする・・・ということもしばしば。とくにオペラ付近で多いと聞きます。

チームプレイの集団からの被害はうけませんでしたが、電車に乗っている時に、すごく不自然にぶつかってきたヒッピーなお兄さんがいました。もしかしたら、お財布確認をされていたのかも・・・これって、偏見かなぁ、と、これもパリ在住の人に聞くと、いや、偏見じゃないから、引き続き、よく気をつけていてね!と言われました。

いつどこで取られるかわからないから、常に気をつけていよう、という感覚は、日本では殆どあじわうことがないので、パリ初心者にとってはとにかく神経を使いました。その点、お財布を落としてしまっても、次の日には返ってくる率が高い日本は、本当にいい国😅

コロナが落ち着いてこれからパリに行く人は、そんな側面もあるので、とくに貴重品には神経質すぎるくらいの気を遣いながら、華の都をたのしみましょ!😉

NFT Art Market出展。改めて考えるアートの価値

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<銀河鉄道の夜モチーフ 黒い川 manoworks コラボ>

 

先日から、solseaのNFT market への切り絵デジタルアートの出品がはじまりました。同時に、何をもってアートと判断するのか、アートの曖昧な価格を最終的に決めるのは結局は何なのか、ということについて考えました。

 

NFT ARTの世界での、何をもって価値とされているのかの基準は、NFT自体が資産価値を有しているため、そのほとんどが、投機目的で購入されているデジタル上のアートという以外は未知数で、まだいまいちよくわかりません。

 

「ART」とついているので、アートらしきものを探してみるのだけれど、なかなか見つからない。昨年から急にNFT Art が界隈を賑わせ、これまでの概念が覆される、リアルアートとは別物の価値基準がカオスの中から形取られようとしているのですが、それでも、「評価を受けるほどにその価値と価格が上がっていく」という点には違いはない。

 

このNFT Art黎明期のカオスの時期に急に高値のついた作品の作家さんは、このさきちょっと苦労するのかも。

 

メル・ギブソンが、いつまでも「ダイ・ハード」のイメージが付いてまわるように、安達祐実を見ると、いまだに「家なき子」の相沢すずの面影を見るように、マーク・ハミルが、「スターウォーズ」のルーク・スカイウォーカーのイメージを拭うために長年苦労したように、でだしでの思いがけないインパクトが、その後のイメージに大きな影響を与えます。

 

一般的には、美術品の価値が上がるのは、ゆっくりがいい、といいます。値段のつけかたも、もし、アートに取り組み始めたばかりで,自己評価的には数万円の段階の作品が、何かのはずみで急に100万円とかで売れてしまったら、次に作る作品も、その水準のものとして作らなくちゃ、ってなる。それだったら、「君の作品を100万円で買いたいよ」と言ってくれた相手に、「今の自分の総合的な価値の水準は10万円前後くらいだから、10万円の作品を10個買ってください」とお願いした方がよい、ということを、どこかの記事で見たことがあります。

 

100万円で売買を成立させてしまうと、次に購入してくれるひとには、同じくらいの価格で売らなくちゃならなくなるプレッシャーがついてまわるけれど、その作家さん自身の全部の作品が急にそのくらいの価格水準になるわけではないので、次の売り方が難しくなる。

 

もちろん、買い手さんが、「いつもは10万円で販売していても全然構わないから、自分はどうしてもこの作品が欲しいので、応援の意味合いも込めて今100万円で買わせてほしい。」という場合もあるだろうし、高く購入してくれる人が現れることで、作品や作家さんの価値そのものがあげられていくこともあるので、値段の付け方や、高くなるタイミングにこれといった正解はない。でも、この正解がない、というのがトリッキーで、商品のように決められた価格がない、アートの価値がとらえどころがない難しいところ。

 

結局、作品の価値はどうして上がるのか、何を持ってインテリアアート等との違いを区別するのか、曖昧なことが多過ぎて、判断するのが難しいですが、「アート」といえるものは、今の時代なら、その絵画や造形物に、作家の生き方がのせられているか、社会との接点をもち、あるいは、問題提起をしながら、他者と共鳴するようなメッセージがのせられているか、作家が魂揺さぶられた何かを形にして世に発表した時、どれだけの人の魂を揺さぶることができるか、そして、作り手が、必要に迫られて作ったものかどうか、というのが重要だと思います。

 

だいぶ前に、島根のベネッセアートハウスミュージアムで、安藤忠雄さんの講座を受けた時に印象的だったのが、安藤忠雄さんのちゃきちゃきの関西弁・・・ではなく、プロジェクターのスクリーンを指して、「これ、なんぼやと思う??」といって見せてくれたのが、スクラップされた空き缶が無造作に積み上げられたゴミの山で、講座を受けていた私たちが首を傾げているところに、テンポ良く「1億円やで!!」(正確な価格忘れたけど億円単位)と教えてくれたことでした。

 

そして、畳み掛けるように、「けどな!原価なんぼやとおもう??」」と更に問いかけられ、えっゴミだし、0円っていうかむしろマイナスじゃあ・・・と思っていると、期待通り、「0円やで!」と、悪戯な表情で教えてくれました。その空き缶の山の作品は、それを通して、そうしたスクラップごみがやまほど出てきて土地を埋め尽くす事に対する問題提起を誰かがした時点で億単位円の価値がつけられて、つまり、アートの価値ってそういうものなんだよ!と。

 

いまのようにサスティナブルがうたわれている社会でもなかったので、結局、行き場を失ったスクラップ缶の山って、人間のエゴだよね、と、誰かが言い出した時点で作品になったのです。

 

ごみの山にあれこれ理由をつけられてアートだって言い切られてしまうと、へりくつを言われたようで狐につままれたような感じにもなる。でも、確かに、それがアートの本質だと言われれば,そんなような気もする。受けてによって捉え方も違うから、結局は、その価値って曖昧なものでしかない。でも、この作品は、たいそうな人が作ったらしく、しかも安藤忠雄さんがレクチャーするくらいだから、これは大層なアートなんだろう、と、誰に評価されているのかも判断材料に入ってくる。様々な評価を総合的にみて、アートの価値が割り出される。

 

私はというと、缶のゴミの山のアートよりも、やっぱり美しさの中にメッセージが込められたものの方が好き。ゴミの山の作品は、誰かの胸にはささったけれど、私にはささらなかった。でも、その誰かが力のある人だったなら、たとえそれを良いという人が少数派だったとしても、自然とその作品は世に押し出されて、価値を生み出していくんです。

 

 

次の同テーマの投稿で、ちょっと焦点を大昔に置いてみます。今の時代のアートは、より「個」にフォーカスされて、社会の問題提起を表現するものが多いけれど、大昔はどうだったか。引き続きご覧いただけますと幸いです✨

 

Solsea にて出展中!

solsea.io

クレッセントハウスを語る会 1月23日10時ー12時 オンラインでのご参加のお知らせ

直前のお知らせとなってしまいましたが、本日、館内ガイドラインにそった上、下記の会を行うにあたり、オンラインでのご参加も可能となりましたのでお知らせいたします。

 

オンライン参加は、10時30分ー11時40分頃になります。

ズームのURLとパスコードを希望される方は、<info@tantan.tokyo>までご連絡ください。

 

 

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『港区の歴史的建造物のあり方を考える』
 〜 クレッセントを語る会 〜
場所/港区立伝統文化交流館
時間 / 10時〜12時 / 無料 / 定員 / 30名
 
 

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1948年、クレッセント(三日月)は、芝・増上寺参道、戦前まで廣度院不動堂があった跡地に古美術商の石黒孝次郎により開業されました。1958年、麻生多賀吉が支援していた銀座のレストランの従業員を引き受け、同地にレストランを併設。鉄筋鉄骨コンクリート造でありながら、急勾配屋根にスレート瓦、豊かな赤レンガ壁、白い窓枠のベイウィンドウなどを配し、ヴィクトリアン様式を近代風に昇華させた意匠となっており、内外ともに贅沢な 建材と職人技が駆使され、芝公園の景観になじみ、東京の風景となっていました。
 
 
 
しかし、2020年10月、コロナ禍により、多くの方に惜しまれ、閉店となり、解体の看板が掛けられました。これに対し、所有する大手不動産会社に、見直し・再生利用の提案をしてきました。Facebook等のS N Sでは、多くの反響をいただきましたが、残念ながら、2月解体完了に向けて、現在解体作業が進められています。
日本では、ひとつの文化と歴史を、風景ごと残していくことがとても難しいと言うことを痛感する出来事ですが、クレッセント設立当初、石黒孝次郎は、いつかは跡形もなくなってしまうかもしれない、と言うことも想定した上、隅々ま

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でこだわり抜いていたのかもしれません。「今、ここにいる人たち(馴染み深い建築家さんや、建設業者さん、インテリア等の職人さんたち)とでクレッセントのような場所を作らなければ、いつ取り組むことができるのか」と、その瞬間瞬間の最善の質が生み出す付加価値に対して生涯情熱を注ぎ続けた彼にとって、言わば、共同作品ともいえるような建物でした。
 
 

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「其の作業は私にとって彫刻であり 絵画だった
比の館は作業に参加した人々の作品であった 夢を実現させる為に
どんなに多くの個人や組織が努力された事か
其の方々に深い感謝の意を込めながら 私はこんな夢を思う
こゝを訪れた人々が ”古き良き時代"に皆んなが持って居た
あの心のゆとりを一瞬でも味わって呉れるようにと
そして 一目この館を今は亡き妻豊子に見せたかったと
石黒孝次郎」
 
これは、クレッセントハウスオープン時から、玄関口のテラスに設置されていたレリーフからの一文です。時代の移り変わりとともに、彼もまた、当時の感覚での「古き良き時代」に思いを馳せながら、取り組んでいました。今の時代では、一個人が、一つの建築物に対してこれほどポテンシャル高く、こだわりぬいて取り組むことは、一筋縄ではありません。
 
 

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新しく開発されていく街並みや建物には、文化の香りが減っていき、その痕跡を知る人たちもどんどん減っていきます。今、その文化の記憶の片鱗を知る私たちができることは、そうした事柄をを共有していくこと。これから街を作っていく世代の人たちに伝承していけるような、少しでも心に何かを残していけるような場を作ることではないかと思います。今回頂いた機会のなかで、かつてのクレッセントの写真や資料を展示させていただき、その記憶を語らいながら、少しづつ、その波が大きいものへと発展していけたらとの希望を胸に、第一回目を開催させていただきます。お気軽にお運びいただけますと幸いです。
 
 
話し手 / 石黒史子・TanTan
住所 / 〒105-0023 東京都港区芝浦一丁目11-15
JR「田町」駅東口徒歩8分、都営地下鉄「三田」駅徒歩9分
 
 

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2021年のこと。ショップチャンネルへの出演

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ショップチャンネル出品、スターダストレッド

 

2021年は、KIRIEBIJOUの活動が大きく変化していきました。コロナ禍で店頭で販売するものも一工夫の必要が出てきました。そのため、前の年の2020年に出展したギフトショー では、販売の仕方を変えていくことを意識してのぞみました。

 

これまでは百貨店やオーダーでの1点ものがほとんどでしたが、テレビ通販やカタログ通販等を視野に入れていくとすると、作る量も変わってきます。そのため、1点ものの雰囲気、世界観をそのまま保ちながら量産をしていくという試みに挑戦することに。

 

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作るところから、資料作成、梱包、出演まで、はじめのうちはほとんど一人作業でしたが、途中から、20年来の友人が手伝ってくれるようになって、その友人がもともと、日本画を勉強していた人でもあって、アクセサリーもオーダーメイドで作っていたこともあって、各方面の素材や使い方にも慣れていて、助っ人さんとして,協力してくれることに。1人でできることは限られているなか、とても心強かった!

 

ドラゴン桜の桜木先生の、「個々でやっているよりも仲間がいた方が受験も通りやすいんだよ!」というようなセリフがありますが、何事も、誰かと一緒に考えることができたり、取り組んだりすることで、1人では成し遂げられないようなことを形に出来るようになる。昨年は、特にそれを感じた年でした。

 

 

放送1回目では、歌手であり、メイクアップアーティストでもある久嶋美さちさんが、私のメイクアップをしてくださいました。

 

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久嶋美さちさん

美さちさんは、民謡をモダンに歌う歌唱力のあるアーティストさんで、アニメ「SAMURAI KING」の【運命〜SADAME〜】でも、その歌声を披露されています。ご本人もアーティストのため、お互いのクリエイティブなところで触れ合うことができ、放送に向けてのイメージ写真も、素敵なものになりました。

 

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                TANTAN

 

和服にも合うところをイメージしていただけるように、和装で撮影した2つの写真。「和服に合う小物ジュエリー」としてご紹介いただくこともあるため、この機に撮影させていただくことが出来てよかったです!

 

 

 

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メイクアップアーティスト、山田さんと。

秋に放送の2回目では、アルバム「月と太陽」アート写真撮影以来5年ぶりの再会となった、メイクアップアーティストの山田奈生子さんが、吸い込まれるような青が特徴的なエジプシャンブルーピアスと、ブーケのネックレスをイメージしで、カジュアル&エキゾチック(目元!)な色味にしてくださいました。

 

新しいことをするために、新しい出会いをしたり、旧友やお世話になった方との再会をしたり。あっという間に春と秋が終わりました!

 

 

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