切り絵で豊かな日常を

切り絵作家タンタンが、日常を豊かにするための切り絵のススメを書き綴ります。

パリの産業展、Maison & Objetでこれから出展を検討される方に。

パリでの出展、検討していますか?

 

私は、今年1月に出展をした、Maison & Objethへの来年1月の出展を、ジェトロ申請締め切り直前まで迷っていましたが、出展をする方向で申請。来年も、切り絵のランプシェイドとKIRIEBIJOUをブースのメインテーマとして出展を考えています。

 

今年の申請時期はジェトロを介して6月24日までと締め切りが直前すぎるので、もし、来年以降出展を検討されている小規模の方がいらっしゃったら、申請から出展までの流れや、具体的にどのくらいコストがかかるのかを、ちょっとした失敗談も含めてまとめて行きますので、少しでも参考にしていただけるようでしたら嬉しいです。

 

 

☆まず、Maison & Objetについて。

 

 

 

Maison & Objetは、世界的にも知られている催しで、パリ・ノールヴィルヴァント展示会場 (RER B線 にてPark  de Exhibition下車)で行われる大規模なライフスタイル系の産業展。

 

 

年2回、ファッションウィークの時期に開催され、9月の催しには、冬〜春のトレンドを、1月の催しには春〜夏のトレンドを求めて世界中からバイヤーさん等が訪れます。美術関連のキュレーターさんもたまにいます。

 

分野としては、ファッション・インテリア全般、ギフト、雑貨、テーブルウェア、テキスタイル、家具等をモーラしており、

 

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maison & Objet Hall map (Jetro より)

 

また、ブース位置は、

 

 

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maison & Objet Hall map (Jetro より)

回を重ねるごとに、フロントやセントラル等への希望がとおる場合もあるようですが、質が高く規模もそれなりのところが殆どです。

 

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 Maison & Objet 会場

 

Maison & Objetへの出展は、トレンドを求める世界中の人たちに見ていただくことができ、反応を得ることができるだけでなく、今、世界ではどんなものが最新でトレンドなのかを目の前にして、様々なことを吸収することができます。

 

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maison & Objet 会場

 

出展しているほとんどが業者さんか、小規模でもある程度商業利益を出している法人で、KIRIEBIJOU規模のブランドで、日本からの出展はあたりを見回してもほとんどいません。探したけど、いなかった。去年出展を決めた時、「結構無謀かも」と、エベレストを登るような心地でしたが、その経験で得たものは大きかったです。

 

 

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maison & Objet Hall 会場でミッフィー発見!

 

海外の産業展への出展をサポートする日本のエージェント、デアイさんのブログでは、各分野のスタイリッシュな動画を見ることができます。

 

デアイさんは、ジェトロとの連携でサポートをしていることも多く、Premiere class, who's next, Maison & Objet, Paris design week, merci, Nelli Rodi japon, ESP trendlab, mapic等、代表的と言われる世界の産業展のお仕事を手掛けています。

 

これらの展覧会のサイトを眺めているだけでも、最新の空気に触れることができますね。私も、去年のwho's Next、今年のMaison & Objetの出展の際には大変お世話になりました。

 

出展者さんでは、江戸小紋空間デザインさんのブログでも、催しの様子を見ることができます。

 

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maison & Objet 会場にて、美濃手すき和紙専門店「カミノシゴト」

 

また、イベントで出会った素敵なブースでは、美濃和紙の窓にペタッと貼るオーナメントでもよく見かける、美濃手すき和紙専門店の、カミノシゴトさんや、金属の新しいかたちを提案するSUS Galleryさん等は、デザインも素材も質も高く、まさに日本が誇れる伝統技術と文化とを見ることができて、とても素敵でした。

 

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ちょっと親近感が湧く軽そうなジュエリー


今年1月の出展については、 出展時期としては、12月からのスト直後で、コロナの混乱が始まる直前で、どうにか形にはなっていたのですが、その後の商談がコロナの影響により全滅。半年以上かけた準備は泡となって消えました(^^;)が、経験だけは残りました。

 

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紙のジュエリー、KIRIEBIJOUと黄金の動物園



 

 

Maison & Objetは、「海外で個展やる」ということよりも、断然コストがかかります。

 

具体的には、次の通り。あくまで、私が借りたブース、9m2(最小ブース単位)のスペースの場合で予想しています。

 

■ 1/出展料と現地サポーターさん5日間(ジェトロを介した場合。サポーターさんは、日本語、英語、フランス語を喋れるバイリンガルの方です。)

 ○中小企業、個人事業主・・・31万円

(○一般・・・62万円 、ジェトロ補助なし、現地サポーターさんは含まれません)

 

■ 2/什器、照明レンタル料18万円〜30万円

 

■ 3/施工代 30万〜100万

 

■ 4/渡航費 ○航空チケット   (LCC) 9万円〜21万円(一般)

     ○宿泊、1週間の場合  (コンドミニアム等)35000円〜90000円(ホテル等)

    ○食費 パリは外食が高めなのでスーパーで食糧を調達しましょう!1〜2万程度

 

■ 5/郵送費 基本的には、フランスへの郵送はヤマトをお勧めします。(フランスへの料金表)理由は、解説に、フランスに郵送の際に絶対に気をつけた方がいいことを含めて、書きます。

 

以上は、あくまで私のような小規模な場合の最小単位のお話で、レンタルや施工費は、ブース内でやりたいことや、渡航費等はチケットやホテルを取る時期によりだいぶ変わってきます。

 

一つ一つ解説していきます。

 

■ 1の出展料と現地サポーターさん5日間は、ジェトロを通す場合ここから変動はありません。

 

■ 2の什器、照明レンタル料については、ブース内でどのくらいのことをしたいかによって、大きく変わってきます。通常、Maison & Objet の指定する什器レンタル業者に依頼をします。

 

ここで揃えなければいけないのは、壁を覆う布はレンタルマストで、テーブルやイス、棚だけでなく、照明のための電源や、ライト等、さらに、釘等を打ち付けてもいい壁(厳密には下地のベニヤ板)もレンタルしなければなりません。

 

壁については、釘打ちしちゃダメなベーシックな壁はついていますが、会場を見回すと、比較的小規模な業者では、結構このベーシックの壁に釘、普通に打ち付けてました・・・大陸の感覚って、ざっくりしてるなー。

 

私の場合は、扱うものが紙で、ディスプレイも紙ベースなので、コストを最小限に押さえやすかったというのがあります。とりあえず、決めていた予算をこえそうなものについては省き、釘打ちは諦めました。(ベニヤ板だけで1枚1万円以上します。おそらくMaison側の施工代もかかっていると思います。)

 

イベントの性質上ブース内のクウォリティを重視するので、ベースの壁剥き出し、というのは.、基本認められません。(いましたけどね笑)布レンタルでは、一番コストの低いもので、9m2の壁をカバーできる布を最小限に抑え、紙ベースのディスプレイを強力両面テープで貼り合わせました。

 

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ディスプレイ「黄金の動物園」黒い布4.5m

 

この布配置のやりとりも結構苦労しました。4.5m✖️2mの壁で、モノトーンのイメージのあった私は、それぞれ色違いで希望を出し、配置のやりとりを図面付きで行ったのですが、なかなか伝わりません。

 

というのも、壁布を2トーンとか、1色以上でオーダーする人がほとんどいないらしく、(それも意外だなあと思ったのですが、)こちらの意図がなかなか伝わらないまま、10回以上やりとりをして、ようやく形にした記憶があります。

 

ちなみに、ライトやテーブル等の位置も、一番最初に提出した図面から微妙に違った図面が業者側から送られてきたりして、一旦その辺りの意思疎通の修正から入りました。

 

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ディスプレイ「黄金の動物園・和風」白い布 2m

 

■ 3の施工代 については、私は一切コストをかけませんでした。これは、ベースの壁に釘打ちしてもいい板を設置して布をかぶせていただく、というシンプルな構造だけで、最低30万円はかかるからです。

 

私の場合、釘打ちはしないので追加設営の必要がありませんでしたが、少しでも凝った設営をしようとなると、シンプル設営の最低価格がこのくらいなので、空間自体にデザイン性のあるようなブースは50〜100万円はかかるかと思います。ある程度の規模の業者でないと、ブースを設営でこるのは中々難しそうですね。

 

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飛行機からの長め

 

■ 4、渡航費について。まずは、チケットについて。これは、航空チケットにしても、宿泊費にしても、予約する時期によるので、できるだけコストを抑えたくて早くから予定が決まっている場合はもちろんはやい方がいいです。

 

去年はLCCベトナム航空、今年はANAで行きましたが、パリのシャルルドゴール空港まで、ベトナム航空が行きハノイ、帰りホーチミン経由で8万円ちょっと、ANAはスイス経由で9万円ちょっとと、時期にもよると思うのですが、ほとんど金額が変わらずでした。

 

去年は、せっかくなら途中下車してトランジットを楽しみたかったので、ベトナム経由でホーチミンを堪能して帰りました。ホーチミン体験談は、また別の機会に書きたいと思います。

 

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ホーチミン トランジット お寺

 

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トランジット ホーチミンでみた謎の傘群

行きのハノイでは、展示会への準備と出発とでバタバタしていてとてもつかれていたので、そのまま空港の待合で泥のように寝ちゃいました。ハノイ、行きたかったなー。

 

宿泊先については、余談が多くなるので、郵送についてを先にお話しします。

 

■ 5の郵送 。これについては、フランスに郵送の際には気をつけた方がいい点があります。

 

インテリア等かさばる物や、重量のあるものを取り扱う人は、結構郵送費がかかるかと思うのですが、フランスへ郵送する場合、「この時期までに絶対届いて欲しい」というものについては、ヤマト等、最初から最後まで外部委託の入らない業者をお勧めします。

 

間違ってもEMSは使っちゃダメ!

 

あくまで、フランスの場合です。ニューヨークとかには、EMSで送ったりしていたのですが、次にお話する経験から、できるだけヤマトを使おうと思うようになりました。日本郵便さん、ゴメンナサイ。悪いのは現地での外注先です。

 

去年の出展で、Maison & Objetグループ出展の際、EMSで送ったら、ブース主催が決めた準備期間の期日までに届かず、どうなっているのか追跡をしたら、いったん税関で止められたものの、無事通過はしたものの、そのまま外注先のクロノポストという会社で止められていて、連絡をしても、「自分の管轄ではないので」と、なかなかまともに対応してくれません。

 

「それがないと本当に困るんです」と、早急に対応して欲しい旨の懇願メールを送って、やっと対応していただいたのですが、こういうことは、フランスの郵便事情では日常茶飯事。

 

この、クロノポストというところを検索してみると、正しく郵送されなかった、という内容がとても多い。というのも、フランス人の性格上、自分の管轄外の仕事はしない、という感覚が徹底しているので、他からきた面倒ごとは、なかなか取り合ってくれないんです。そういう理由から、郵送上で外注が入る場合には、やめた方がいいことが多いのです。

 

 

これはパリ在住の知人のエピソードですが、姑さんが、サプライズで送ってくださった誕生日プレゼントが、やはり上記のような流れでいつまで経っても届かず、いっこうに「プレゼント届きました!」の連絡が姑さんに来ないので、ちょっとイライラ気味で「どういうことなの?とっくに届いているはずだから連絡くらいくださいな」 との連絡を受けて、びっくりして、次からは大変申し訳ないけれどサプライズはやめて、必ず発送の際にご一報いただいた方がいい理由を説明したそうです。

 

このくらい頻繁に郵送上の問題が起こるのですが、それを知らない人にとっては、人間関係を壊しかねないので、出展等の郵送に限らず、とりあえず安全なヤマトをおすすめします。(ちなみにEMSの料金はこちら。私は7kg分くらい送って12000円ちょっとでしたが、もうトラウマで、使えません・・・)

 

■ 4、渡航費について、宿泊編。

 

Maison & Objetのある時期は、他の大手イベントとかぶるので、時期が近くなればなるほど高くなるので早めに取った方がお得です。

 

私はコンドミニアム等も検討しましたが、最終的にホテルにしました。

 

コンドミニアムを検討していた時は、air bnbで、Park de exhibition近辺で1泊5000円程度がありました。ただ、パリ在住の方から、その辺りは治安がいいとはいえないので、電車で時間をかけて通ってでもも市内の安全な所の方が良い、とアドバイスをいただき、ストの影響のなかったB線上のリヨンの駅近くのCitizen Mに泊まることに。

 

Citizen Mは、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地にあるビジネスホテルですが、ラウンジも広々としていて快適、リラックスできて、バーカウンターもあって夜遅くにいきぬきができて、ベッドも大きくて快適。日本のビジネスホテルとは比べ物にならないほどお洒落で快適でした。ただ、シャワールームに湯舟はないけどね・・・・

 

ホテルズ.com で秋ごろに予約した時は7000円でしたが、現地でパリ滞在最後の二日間を友人のところでと考えていたものの、ストの影響で交通機関が安定しないため、そのままリヨンで過ごすことに。と、現地で当日予約をしたら1万5千円くらいになっていて、なんと2倍!

 

それもそのはず、ファッションウィークやWho's next、Maison & Objetと、ポピュラーな産業展が目白押しで、この時期急にパリ市内の宿泊先全般で、値段が高くなるのです。京都みたい。当日予約できただけでも実は奇跡でした。

 

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Lyonの時計台

 

余談ですが、去年泊まったところは、かなり古くてアンティークな感じのホテルでしたが、初めてみる規格外のエレベーターに驚愕したものでした。

 

パリでは伝統的な街並みを重んじるので、だいぶ古い建物がのこっていて、時代とともに後からエレベーターを設置するのはいいのですが、螺旋階段の内側等に無理やり押し込むような形で設置をするので、サイズはまちまち、小さいものでは2人のればいっぱい、中には一人のりなんていうものも!

 

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オペラの広場でダンスを踊る人たち

 私が去年宿泊したところは、建物の外観はアンティークな感じでエレガントで素敵なのですが、2人乗ればいっぱいになる小さなエレベーターのあるところで、手動でドアを開け閉めして、一人乗ったらスーツケースは乗らないので1階のロビーに預け、部屋のドアはちょっと曲がってたりして、古い建物をのこしつつ、無理やり部分部分をリフォームしているので、「なんかおかしい」というところがいっぱいでした。

 

でも、エレベーターがあっただけ良かったんですね。無いことを知らずにホテルをとって、ロビーにも預けられるスペースがなくて、宿泊先は3階で、重いスーツケースをかついで行かないといけないようなちょっと地獄な場所もあるとか。

 

便利さに慣れている日本人としては、短期の活動なら我慢できるのですが、長期滞在は余程の覚悟がないと、憧れのパリに場所をうつして鬱になる人もいるとかいないとか。(パリ症候群というらしいです。)

 

また、地下鉄もエレベーターやエスカレーターがほとんどなくて、あっても壊れていたりすることが多いので、大荷物の時は結構地獄になります。ベビーカーを抱えたママさんとか、特に、ご老人はよっぽどお元気で足腰が強い人たちばっかりなのかな、と思うくらい、全然バリアフリーではありません。

  

なので、パリの展示会等で持ち運びの荷物が多くなるような場合の宿泊先には、タクシーでも行けるような距離か、トラム等の路面電車での行き方や、エレベーター、エスカレーターがある大きめの駅を調べた上で探すことをおすすめします。

 

 

以上、Maison & Objetに出展をするとした時の流れとコストのレポートでした。私は、今年1月の出展ではかかったコストが全部で65万円程でした。

 

これ、中〜小規模の業者さんからすると、かなり、相当抑えている方だと思います。私自身当初は100万円近くかかることを想定していたのですが、商材の性質上かなりコンパクトで軽量、というのも幸いしました。

 

ちなみに、Jertが参考として提示している費用総額は、約¥1,610,000~¥2,410,000。だいぶ節約できました(^^;)

 

 

小規模で活動しているブランドさんにとっては、無理なく捻出できる経費だと思うので、業者さんだけでなく、フリーで世界観を大事にしながら活動しているブランドさんもどんどんチャレンジしたら良いと思いました。

 

長々と最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

お題「わたしの仕事場」