切絵作家の美意識

切り絵作家の活動、美意識等を書いていきます。

名古屋高島屋にて

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名古屋高島屋にてPOP UPしてきました。

 

 

今回、新作「FUWARI」のラインナップも多数揃え、大振りのジュエリーもご好評いただきました。

「FUWARI」は、繊細な切絵のタイプとは全く違ったもので、シンプルに切り出した形を生かし、下地の黒漆が掠れて見える事で古代美術のような雰囲気を演出したもの。

 

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切絵は私のライフワークであり、表現法の全てですが、こちらの新作では、本来の私のインスピレーションの泉がどこからやってくるのか、そのイメージそのものが形となって現れたもの。

 

私の祖父は古美術品の収集家で、中近東文化の古美術を中心に多くのオリエンタルコレクションを見てきました。古代美術では、本来の芸術品としての美しさに、数百年、数千年の時を経た、風化していく有様そのものの美しさが加わり、人の手では生み出せない、言いようのない世界があります。

 

 

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その美しさを唯一表現できるとしたら、漆・箔の世界だ、と確信をしてから、繊細な透し彫りだけでは表現しきれない世界を、今回実現することが出来ました。それは、私が経験してきたものを、そのまま表現できたら、という、正に芸術作品としての歩みでもあります。

 

 

 

切絵だけでは、まだ、芸術の領域に届かない。何かもう一つ必要だ、そんな事を考えておりましたが、

 

「ふわりと時代を越えて、現代の私たちが目にする古代からの贈り物」

 

という世界観をテーマに、新たな表現法をこれから模索しつつ、従来の繊細な切絵作品とも融合させていきたいと思います。